ふたりはプリキュア 18話『ドキドキ! 中間テストは恋の迷宮』
最近のシリーズに比べて恋愛要素が多めな初代プリキュア。
7話、8話(ほのかと藤村先輩の関係が話の火種になった)、13話、17話(思いがけず藤ピー先輩と近づいてなぎさがテンパる)と定期的に話に絡んできています。なぎさのリアクションを追うだけで楽しいので個人的にはあり寄りのありです。
で、今回も恋愛話っぽい
全てを喰らい尽くす闇の力。それはジャアクキング自身も内側から蝕んでいるようです。だからプリズムストーンの力が必要なのか。幹部たちの焦りも強まってきています。
一人、ほのかに手当てされた指先を見つめるキリヤ。
キリヤくんに恋しているらしいなぎさの友人谷口聖子。志穂と莉奈コンビは聖子にキリヤへ告白するよう焚きつけます。ほのかも、自分の気持ちは素直に伝えた方がいいと背中を押します。
一方のキリヤ。前話でもそうだったんですが、協調性というものを覚えていないのでサッカー部チームメイトとの仲は険悪です。それをかばう藤村先輩。ダメな行為はダメとしかりつつ、仲間として尊重する姿はキリヤのお兄さん分という感じです。幼馴染のほのかに負けず劣らずの面倒見の良さ。
放課後、聖子はキリヤくんにラブレターを渡します。が、彼女の意図を理解できないキリヤはめんどくさいとこれを無視します。面倒なことが嫌いな性格は前回でも示されてましたね。
聖子を撃沈させたキリヤくんですが、図書館にいたほのかには自分から声をかけにいきました。ほのキリありがとうございます
周りの人の考えていることがわからないとこぼすキリヤ。なんだかんだと言って、ほのかに影響され始めてますね。
「もしかしたら、自分からちゃんと付き合おうとしてないからじゃない」
優しく諭すほのか。自分からちゃんと自分の気持ちを伝えれば、相手もきっと答えてくれる、人と人とはそういう風につながっていくんだとほのか。
テスト前夜。一夜漬けでなんとかしようとするなぎさ。なぎさの頭じゃ無理だから諦めてミップルと会わせろとメップル。メップルを叱るためのカードが存在するのをはじめて知りましたが、むしろメップル本人より叱っている『シカルプ』の方がうるさいという。
……なんやかんやあって、結局一夜漬けを断念したなぎさ。勉強に関しては弱々です。
翌日。志穂莉奈コンビの助けもあり、もう一度キリヤくんにラブレターを渡そうとする聖子。志穂莉奈コンビの口から雪城ほのかの名前を聞いたキリヤくんは、その言葉で気持ちをかき乱されます。
思わずラブレターを破いて彼女たちを追い払ってしまいました。
登校したほのかは、下駄箱で泣いている聖子を見つけます。
男子部。来客用スリッパで乗り込んでいくほのか。人の心を大切にできないキリヤくんを叱りつけに行ったのです。この流れがほのからしくていいですね。
仲裁に入るなぎさ。普段こそなぎさの方が活発ですが、怒って手がつけられなくなるのはほのかの方なんですよね……。
一方のキリヤくん。ほのかが聖子を応援し、自分にラブレターを渡す流れを作ったことに怒っています。
「ひとのこと何も知らないくせに!」
激昂するキリヤ。自分がキリヤのことを何も知らなかったことに思い至ったほのかは、いつぞやのごとく頭を下げてしまいました。
テストに間に合わなくなるとほのかの手を引いて教室に入ったなぎさ。が、教室のドアを開けるとそこはポイズニーがつくった異空間でした。何もない虚空へ落下していく二人。落下しながらプリキュアに変身。着地して変身完了。いつにないシチュエーションで燃えますね。
落下した先は鏡だらけ。珍しく自分自身で襲いかかってくるポイズニー。応戦するプリキュアですが、鏡で攻撃をそらすポイズニーに攻撃が当たりません。
直接戦っても強かったポイズニー。すごい動きをしてます。むしろなぜ今まで頑なに戦わなかったんだ。
ポイズニーに鏡の中に閉じ込められてしまったプリキュア。このままでは鏡ごと爆破されてしまうジエンドです。今日のポイズニーはマジだ。
が、爆破の寸前、謎の光がなぎさたちを元の世界に戻します。
放課後。聖子に謝るほのか。そんなほのかに、聖子はキリヤがわざわざ会いに来てくれたと語ります。「手紙は受け取れない」と伝えて、謝りに来たのだとか。少しずつキリヤくんが周囲と関わりを持ち始めました。うれしそうなほのか。
そこへ走ってきたなぎさは聖子の手を取り、チョコパフェやけ食いに連れて行きます。というところで次回。
キリヤとほのか
前回示されたキリヤとほのかの関わり、それをさらに1歩進めた回。シリーズ構成の川崎良氏が直接書いた脚本だけあり、隙のない話運びです。
人間という存在に興味を強めているキリヤですが、ドツクゾーンで育った彼は人とのコミニケーションの仕方を覚えていません。そのせいで周囲とぶつかり、聖子を傷つけてしまったりもした。しかしまっすぐ向き合ってくれるほのかや藤村先輩との交流を通じ、徐々に人と人とのつながりを覚えていく。丁寧です。
またほのかにとっても、理解していない相手への過剰干渉に対する戒めでもありました。ちょうど8話と同じようなことですね。
相互理解のハードルをきちんと描写した上で、それをどうにか乗り越えていく。そういう話が初代プリキュアなのかも
作画
さ・く・が!! 映像としての演出がキレキレの回でもありました。特に顕著なのがポイズニー戦ですよね。今回初めて直接戦闘を行ったポイズニーですが、幹部の名に違わない強さを見せつけてくれました。
いつもと違う状況からの変身→すごい動きをしながら終始優勢→手助けがなければプリキュアを完封するところまで追い詰める! トドメを刺そうとするポイズニーはマジで怖かっこいいので是非見て欲しい。
プリキュアはアニメだから、やっぱり映像としてすごいものを見られるとうれしいです。
ところで、最後に二人を助けたのは直接描写がないだけでキリヤくんですよね。前回では気を緩めたことが間接的にプリキュアの手助けになりましたが、今回は明確にプリキュアを助けてしまいました。
少しずつほのか達に歩み寄っているキリヤくんですが、ドツクゾーンが許しておくとは思えません。今後がかなり心配になってきました。
ストーリー・演出ともに高レベルで、物語の中での重要度も高い今回。
間違いなく神回だと思うので、初代から何話かピックアップしてオススメしてと言われたらこの話をボクは推したいですね。