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【スタプリ8話感想】異文化交流回なんてチャチなもんじゃねえ……

スター☆トゥインクルプリキュア 8話『宇宙へGO☆ ケンネル星はワンダフル!』

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【スター☆トゥインクルプリキュア】「宇宙を照らす灼熱のきらめき! キュアソレイユ!」/「神原ハヤオ@十華荘」のイラスト [pixiv]

こ……これは異文化交流回なんてチャチなもんじゃねえ……

スタートゥインクルプリキュアらしいノンストップギャグの連打と

絶妙にすれ違い続ける異文化交流の顛末を描きつつ

プリキュアのハートたる『世界のためより友達のため』を混ぜ込んだ

とんでもない情報量の話だぜ……!

 

ツッコミ不在 叩き込めギャグの連打

冒頭からして記念すべき1歩に失敗するひかる、「骨なさそうに見えるけど」というえれなの辛辣なツッコミ、毛生え薬を臆することなく使おうとするひかるなど随所に異様な密度で仕込まれた小ネタ。いやほんと、このノリは1話のときを思い出します。

しかし今回の本質は、このギャグ連打で印象を隠されていますがもっとえげつないものなのだ……

 

 

異文化交流……なのか……

のっけからケンネル星人を犬(動物)扱いするひかる。「先入観を持たないようにする」という信条のひかるも普通に先入観を持ってしまうという強烈な皮肉です。いくら心がけていても人間は先入観を持ってしまう……。ひかるの偉いところは、そういう失敗を反省し、きちんと現地の人の行動に倣おうとした点ですね。挨拶を真似し、毛生え薬も臆することなく飲もうとする。こういうフォローがあると、失敗したキャラも印象が悪くならなくていいですよね。

反面、プルンスは「宇宙の平和を守るために」ケンネル星人たちの聖なる骨を力づくで奪おうとしてしまいました。ケンネル星人のドギーの放った

「俺たちから見ればお前らもあの男(カッパードのこと)もまったく一緒だ!!」という指摘はぐうの音も出ない正論。たとえ正義という目的のためであっても、何も知らない他人を踏みにじろうとすることは悪なのです。そこまで最初の宇宙回で踏み込んで書くか……。

 

今回が重かった点はもう一つあり、それは「実際には異文化交流ができたようでできてない」というシビアさです。プルンスは最後までケンネル星人の「毛が生えている方がえらい」という価値観にはなじめませんでしたし、ケンネル星人もケンネル星人で、スターカラーペンを納得して渡してくれたわけではない。ただスターカラーペンのあった場所に「本来あったもの」が修理されたから、こだわるほどのものではなくなったというだけ。

思い込みの壁は高く、相互理解の道のりは遠い……。

 

 

プリキュアは正義の味方ではなく、生活の味方

メーカーのキャッチコピーみたい。生活の味方プリキュア製薬です。

今回のメイン功労者はソレイユ。ケンネル星人に自分を染めようとしたひかるとは違い、えれなは「地球人として」ケンネル星人のドギーたちと友達になろうとしました。悪の道に落ちかけたプルンスをひきとめたのもえれな。

確かに宇宙の平和は大事かもしれない、だけどそのために現地の人の笑顔を奪うことはノットレイダーと変わらない。笑顔を守るためにプリキュアになったキュアソレイユにとって、何より大切なのは友達なのです。初代から綿々と受け継がれてきたプリキュアイズム。地球のため、みんなのため、それもいいけど忘れちゃいけないことがあるんじゃあないのか?

自分たちの利益を度外視してドギーたちの大切なものを守るために戦ったえれなだからこそ、ドギーの心も動いた。お互いがお互いに染まり切ることは簡単ではないけど、歩み寄ろうとすることはできる……。

 

そう、歩み寄ろうとすることはできるのです。過ちを悟ったプルンスが身を張ってドギーたちを守ったように、ドギーがプルンスの説得に応じて一度だけスターカラーペンをソレイユに託したように。完全にはわかりあえないのだとしても、理解し合おうとする気持ちがあれば力をあわせることだってできる。

 

今作のプリキュアが恐ろしいのは、こういうシビアでロジカルなバランスの物語がノンストップギャグとともにハイテンションで繰り出されてくるということだ……

 

 

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