神原のブログ

同人小説などを書いています。

【スタプリ5話感想】まどか「お父様には内緒だよ!」

スター☆トゥインクルプリキュア 5話『ヒミツの変身☆ お嬢さまキュアセレーネ!』

 

今回の主役は『観星中の月』香久矢まどか。生徒会長にして成績はトップ、弓道とピアノは全国レベルでしかもお嬢様。

プリキュアでお嬢様と言えば前作『Hugっと』のキュアマシェリ/愛崎えみるや初代プリキュアキュアホワイト/雪城ほのか、他にもけっこうな人数がいますが、その話をすると長くなりそうだからやめよう

OP。恒例の映画宣伝映像。オールスター映画の季節か。オールスター映画は春の季語です。

 

まどかの自宅は西洋風のお屋敷。ふわふわとした雰囲気の母親(ピアニストらしいですね)と、厳格そうな父親。父親はなんと内閣府宇宙開発特別捜査局の局長だとか。すごい人が出てきた。プリキュアで政府側の人間が話に絡んでくることがかつてあっただろうか……。

まどか父は宇宙人騒ぎを調査している様子。

「捜索範囲を広げる。対象を匿う人間も視野に。宇宙人に味方する者に容赦はするな

おおう……。まどか父は宇宙人と敵対する立場にあるのですね。

香久矢家の(というより父の)モットーは「隠し事はしない」。

それだけ聞くといい家訓ですが……

 

 

ひかる、ララ、えれなの3人は一緒に登校。プリキュアについて説明していたみたいです。校門近くまで来るとえれなは大量の『観星中の太陽ファン』の皆さんに囲まれてしまいます。

同じように『観星中の月ファン』の皆さんに囲まれるまどかの姿も。

そんな香久矢まどかについて説明してくれたのは同じクラスの金髪縦ロール・姫ノ城桜子。やたらとまどかにライバル心を燃やしています。姫ノ城家二一代目当主だとか……? キャラの濃いクラスメイトです。

 

ララの姿に気がつくまどか。ひかるやララが宇宙人に関わっているのではないかと疑いを持っていたのです。前回でララたちを厳しく見つめていたのはそういうことだったのか。

昼休み、まどかはひかるとえれなを見つけ問い詰めます。何か隠していないか?と。

なんとかその場をごまかそうとする二人ですが、無邪気なフワはその姿をまどかに晒してしまいます。

「宇宙人だってバレたら、ララもプルンスも地球にいられなくなっちゃうの! だから誰にも言わないで!」

とまどかに懇願するひかる。まどかもまた、無邪気なフワが父の言う『悪い宇宙人』だと思えないことに困惑している様子。

 

 

夕方、香久矢家所有の弓道場。父はまどかの動揺を見破ります。

「香久矢家の一員たるもの、常に落ち着き平常を保たねばならん」

「あえて地元の学校に通わせたのは、一般の、普通の人々の気持ちを知るため」

なるほど、香久矢まどかが観星中を選んだわけではなく、それすらその方がいいと父が敷いたレール。生徒会長をつとめているのも、父が人の上に立つ経験をつませたかったから。

そこにまどかの意思はないのですね。

 

 

「ひかるの作ったおにぎりは最高ルン! いくらでも食べられるルン!」

オヨルンかわいすぎか。大人という肩書きにそぐわないポンコツ具合がララの魅力のひとつですね。

そんなところへ、ひかるの後をつけてきたまどかがやってきてしまいます。

まどかが目にしたのはララが修理中のロケット。

このことを秘密にはできない、父を裏切ることはできない、と思い詰めるまどか。

そんなまどかに、フワはおにぎりをおすそ分け。ララを骨抜きにしたおにぎりパワーで買収

思いつめて元気のなさそうなまどかを励まそうとします。

あらためて、みんなのことを誰にも言わないでとお願いするひかる。

「お父さんのことはわかったけど、先輩はどう思ってるんですか。フワが悪い宇宙人だと思う?」

 

 

そんな中登場、今日のノットレイダー。ついにロケットの近くまで捜索範囲を広げてきました。

いい加減ロケットの修理を終わらせないとまずいのではないのか……

ひかるたちはフワをまどかに任せて、ノットレイダーの前に飛び出していきます。

 

テンジョウいわく増援したのだとか。ノットレイの数が増えています。プリキュアが増えたならノットレイの数を増やそう、単純ですが効果的かもしれません。

今日の変身バンク。そして戦闘開始。

 

例のごとく見つかってしまうフワ。この展開3回目……

「この子を……守らないと!」

フワを守ろうとするまどかの意思に反応し、4たび生まれる変身スターカラーペン 。

父親の件もあり、迷うまどか。しかしひかるの言葉(『先輩はどう思ってるんですか?』)を思い出し、自分の意思で変身することを選びました。

 

「夜空に輝く神秘の月明かり! キュアセレーネ!」

バンク力入ってるなあ

最低限のモーションで優雅に変身。動きの多いキュアソレイユとは対象的ですね。

戦闘シーンも、大量のノットレイの攻撃を少ない動きで避けていくスタイル。スタイリッシュです。

『お父様の言うように、人々の気持ちを知るようにつとめてきた 知ったからこそ、フワやひかるたちを放ってはおけない』

そう覚悟を決めながら、必殺技セレーネアローで大量のノットレイたちを一網打尽に。

 

 

戦闘後、騒ぎを知ったまどか父(と調査チーム)がやって来ました。

本当のことを話すべきか迷うまどか、そして「何もなかった」と父に嘘をつきます

ヒミツの変身☆ってこういうことか

 

なんにせよ、4人になったプリキュア。というところで次回です。

 

 

父と子 まどかの秘密

 

4話が終わった後に、この作品では『子供-大人』という対比が多重構造になっているという考察をしました。

kanbara.hatenablog.jp

今回もその対比構造が主軸に置かれているように思います。つまりまどかとその父ですね。

まどかの父は政府の高官であり、非常に『正しい』側にいる人間です。

『多くの人の気持ちを知るようにする』『隠し事はしない』

それぞれ単体はとても『正しい』。ですが正しいが故に、抗いがたい強制としてまどかにのしかかっています。やっかいなことに、自分が抑圧されていることにまどかは思い至っていないでしょう。最後の描写を見ても、父はいまだ尊敬する逆らいたくない立派な父親なのです。

が、現にまどかは『個人としての意思』を失いかけていました。悪い意味で『子供』であったわけです。『自立した大人』ではなかった。

 

そんなまどかは、ひかるやフワとの出会いにより『自分で考え、決断し、それに責任を持つ』という一歩を踏み出しました。それがプリキュアへの変身。

そしてもうひとつが、『秘密』を持つこと。『秘密』とは言ってしまえば、『親とは独立した内面』のことです。親の知らない自分を持つ、それもまた自立すると言うこと……

プリキュアシリーズでこういう踏み込み方をするのは珍しいような気がします。

 

なんにせよ、今回はまどかの一歩目。物語が進むにつれ、いずれ父親と直接対立せざるを得なくなっていくのでしょう。彼女の物語の山場が今から楽しみです。

 

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