神原のブログ

同人小説などを書いています。

スタートゥインクルプリキュアの対立構造について

スタートゥインクルプリキュアも今日の放送で4回目となり、ぼちぼち要素が出そろい始めたので簡単な考察でも書いておこうかなと。

 

1.プリキュアとノットレイダー

プリキュア

スタートゥインクルプリキュアプリキュア作品なので(当たり前すぎる)、やはり作品の核となる精神はプリキュアに体現されていると思われます。

 

♬きらめく~星の力で~ あこがれの~わたし描くよ~

 

まあここですよね。『憧れの自分を描く』。想像力(イマジネーション)で未来の可能性へ飛び出していく。ここが主軸でしょう。

 

もう一つ重要な要素として付け足すなら

・ひかるはフワを守る!という決意でキュアスターになった

・ララは自分の力でフワを守ると決意してキュアミルキーに

・えれなはフワの笑顔を守るという決意でキュアソレイユに

という部分かな、と。つまり「守る」っていう決意なんですよ。「守りたい」じゃないんです。プリキュアの力がたとえないのだとしても「守る」ってことです。プリキュアになるっていうのは自分の行動の選択であって、プリキュアの力は結果として付いてきているということでしょう。

 

で、プリキュアの力は「何を守るためのものか」について。基本的に3回とも「フワ」を守るために発動しているので、劇中的には「フワを守るための守護者」がプリキュアであると見ていいかと思います。問題は「フワはどういう存在か」ですが、これについてはまだよくわかりません。劇中ではまだ謎が多いです。

 

ここからは想像ですが、おそらくフワは「宇宙=みんな の 未来=無限大の可能性」の象徴ではないでしょうか。今や誰もがプリキュアになれますならば誰しもがプリキュアの使命の一端を担っているとも言えるでしょう。私たちみんなで守り、育てなくてはいけないもの、それはやはり私たち自身の未来ではないでしょうか。

 

……まあプリキュアって基本的に毎年そういう話だと思うけどね。

 

 

②ノットレイダー

ノットレイダーの話。ノットレイダーの目的は全宇宙の支配。わかりやすい。ですが支配してどうしたいかは漠然としています。現段階では、断片的な描写から推測するしかないですね。

 

カッパード「恐怖は思考を停止する」(1話)

思考停止、つまりは「想像する」の対となる概念ですね。彼らが求めている世界は「想像力で溢れた世界」の反対、「全てが黙って自分たちに従う世界」ということでしょうか。

 

テンジョウ「今度はもっと使えるコマを用意しないとね」(3話

基本的に集団行動をするノットレイダーですが、あくまで彼らは他人を「蹴落とすもの、あるいは都合よく使うもの」としか認識していません。別の言い方をすれば、他人に対する想像力を持ち合わせていないとも言えます。

 

ここからさらに逆をとると、

・想像とは思考停止に陥らないことである。

・想像とは他人の気持ちを想像することである。

というふたつも導けるかと思います。①も合わせれば

・想像とは憧れの自分を描くことである。

・想像とは私たちの未来そのものである。

とも考えられます。

 

 

2.地球人と宇宙人(星奈ひかるとララ)

 

今作発表時に真っ先に目に入った対立構造、それが宇宙人のプリキュア・キュアミルキーでした。

宇宙人とは、そのまま異質な他人を示すものと考えられます。価値観の異なる他者。

1話~3話は星奈ひかるとララ、この対立構造を提示した話でした。

ここで重要なのは、異質な他人=宇宙人という関係性は双方向だということです。ララから見れば宇宙人なのはひかるなのです。というか実際常識人なのはララだから、視聴者から見ても宇宙人なのはひかるだよね。

 

価値観同士の対立は双方向。どちらかが正しいというものではなく、3話の対立は双方に理と非がありました。そういうものであるのが当然なのです。

だからこそ、お互いがお互いの言葉に耳を傾け、その気持ちを想像することが解決策になったと

(この解決方法が天宮えれなからもたらされたのも重要な要素だと思いますが、それについては後述します)。

 

そして異なる人同士が力を合わせられれば、単に二人揃ったということ以上の力が出せる。ここらへんはプリキュア伝統の価値観ですね。

 

 

3.子供と大人

 

想像力を強く持つものとそれを抑えてしまったもの、そういう2項対立を考えた時、まず上がるのが『子供-大人』でしょう。

この対立構造は、本作のあらゆるところに仕込まれているように見えます。

 

①星奈ひかるとララ

地球人と宇宙人という対立もあった二人ですが、大人と子供という軸でも対立関係にあります。

なんと言っても、ララには「自分の星ではすでに大人」なのです。ララは大人だからこそ自分の責任において宇宙を旅できますし、自分の責任において誰かを守るという決断を下せます。逆に大人として、常識というものに強く囚われていた面もあります。

プリキュアになれる可能性はかぎりなく低い(から自分にはなれない)』という発想があったわけですね。ララは『決めつけ』をしてしまうわけです。

『決めつけ』とはまさに『思考の停止』であり、想像力の反対のもの。

 

対するひかるは、好奇心と想像力の塊です。何かを決めつける、ということを嫌うわけです。いい意味での子供っぽさがあります。反面、『忍耐力』に欠けた面があります。大人であるララと違い、ひかるは本当に『この瞬間』を生きている。だからこそ、待つという行為が苦痛なのですね。

ロケットの修理に何日もじっくり向い合えたり、慎重な分析を好むララとはまさに対照的だと言えます。

 

②「ひかるとララ」と「えれなとまどか」

「子供っぽいふたり」と「大人っぽいふたり」という対立軸です。①では大人にカウントされたララも、この対立軸では子供側に分けられます。見た目で分けたきらいはありますが、キャラデザにも意図があって当然だと思いますので、見た目で分けてあながち間違いということもないでしょう。

 

現段階では香久矢まどかが本格登場していないので断定的なことは言えませんが、この対立の中では「子供側が想像力の象徴で、大人側が思考停止の象徴」というわけ方が逆転するのではないでしょうか。

つまり「子供側が想像力未熟で、大人側が想像力に長ける」という構造です。そう思ったのが3話と4話での描写ですね。

 

3話において、ひかるとララの喧嘩に解決の糸口を与えたのは天宮えれなでした。彼女がふたりに示したもの、それは『他者に対する想像力』です。天宮えれなは年上のお姉さんとして、コミュニケーション能力に長けた人として描かれていました。それは4話でもそうですね。

こと他人の内面を想像することに対して、大人の方がその力を持つというわけです。

そういう視点で3話を見れば、ひかるとララの喧嘩が『子供っぽい喧嘩』として描かれたのも納得がいきます。

 

また4話の描写から、「えれなとまどか」は皆が憧れる年上という描かれ方をしていくだろうと予想できます。メイン視聴者の視点に近いひかるとララの視点から、年上ならではの想像力を提示する役割が「えれなとまどか」にはあるんじゃないでしょうか。

 

 

③星奈ひかると星奈春吉

主人公と、その厳しい祖父ですね。言うまでもなく祖父側が『大人側』です

とはいえプリキュアチーム内にすでに①②の二重構造の『子供-大人対立軸』が存在しているので、まずはそちらの物語がメインで展開していくものと思われます。同年代同士での話である程度地盤を固めた後、祖父世代を含めたお話になっていくんじゃないでしょうか。

まあ少なくとも、1話2話で話の前振りがあったので、どこかのタイミングで大人世代もからむ展開になっていくんだと思ってます。

 

 

終わりに

 

まとめです。

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・想像力-思考停止という大元が本作のテーマだと思われる。

・想像とは自分の可能性を制限しないことであり、他人の気持ちを想像することでもある。

・想像力-思考停止の具体例として子供-大人の対立軸が重層的に配置されている。

 

以上が現段階での私の考察となります。

 

 

来週はプリキュアも4人揃うわけで、楽しみですね。

 スターカラーペン の星の数的に、最終的にはプリキュア5人になると思うけどな