神原のブログ

同人小説などを書いています。

映画 キラキラ☆プリキュアアラモード 感想

映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!

 

キラやば~っ☆

 

というわけで今日はキラプリの映画を見ます。実を言うとキラプリは途中までしか見れてないので、内容すべてがわかる自信はないのですが……どうにも映画の評判が良かったもので、気になってしまいました。

今後キラプリシリーズを見返すときがあると思いますので、その時に再度見返すことができればいいかなって思います。

じゃ見てこ~

 

「みんな、ミラクルライトは持っているかしら?」

……ごめんなさい、持ってません。

 

最初は短編映画なのか。モフルンはかわいいな~♬ ペコリンはハゲてるな~♬ うんうんパフもドジでかわいいよ♬ アロマ君なんかセリフ少なくない?

超どうでもいい理由でなぜかドラゴンが現れて大ピンチ。でも大丈夫、ミラクルライトを回して解決です。ミラクルライトの使い方チュートリアルかな。かわいいから許す。

 

 

「トレビア〜〜ン!!」

 

さて本編。今回の舞台はパリ。

キラ星シエルちゃんがスイーツコンテストに出場すると言うのが今回の流れらしいです。ちなみに僕が見てる回までだとまだシエルちゃんが出てきてません。

さっそく敵が現れて戦闘に。いや動く動く。エッフェル塔を絡めた空間戦闘作画! 映画かよってくらいぬるぬる動き回ります(そりゃそう)。

動くだけじゃなくてちょこちょこコメディっぽい動きがありますね。個人的にキラプリの戦闘シーンはそこまで好きじゃなかったんですが、こういう楽しい動きが多いのは大好きです。

と、敵の何らかの攻撃により、シエル=キュアパルフェは妖精キラリンの姿に戻されてしまいます。シエルちゃんは妖精なのか。妖精の姿でプリキュアの服装をしてるのがシュールすぎる。プリキュア用の武器は大きすぎて扱いきれず、がんばって必殺技を出したと思ったらちっちゃな光が「ポン」と出るだけ。雀の涙。かわいい。

 

特殊OPからの流れるような本編。パリですね~。行ったことないですがパリって感じがします。すいません、今適当言いました。

コンテスト出場者たちのパーティーに出席するプリキュアたち6人。キラリンがちゃっかりシエルの姿に戻ってる。プリキュアになれなくなっただけで、人間の姿にはなれるんですね。

なぜかコンテスト会場にいる魔法つかいプリキュア。なぜいる。絶対コンテスト出ないでしょ気みたち。あとはーちゃん食べ過ぎ!

そこへ現れた謎の男ジャン・ピエールポルナレフ。頭の上にバラの花。変人オーラが凄まじい。なんでもシエルの昔馴染みらしい。シエルの不調をホイップの香りだけで見抜くなど、ただものではないオーラがあります。

 

ジャンの研究室にお邪魔する6人。シエルをキラリンと呼ぶあたり、妖精の存在を知っているようですね。しかも本人も『オバケのパティシエ』クックと共に暮らしているようです。

クックが書いた『究極のスイーツ』のレシピ。その実現がジャン・ピエールの悲願。

めちゃくちゃ変人ですが、少なくとも悪い人ではなさそう。

で、シエルによるジャンの過去回想なんですが面白すぎる。ギャグについて説明するのはギャグを殺しかねないので解説はしませんが、これだけは言わせてほしい。

「カラスを全て避けてるキラ!?」

「避けながらちゃんと調理を続けているキラ!?」

じゃないんだよ まずその状況がおかしいことを自覚しろ

 

ジャンは今のシエルのスイーツを味見し、それを否定します。

「パティシエは茨の道だ! 頼れるのは自分の力のみ! 他人と馴れ合っていては弱くなるだけ!」

ジャンはスイーツしか見えていない男で、悪人ではないのですが、かといってプリキュア的な価値観を持っている人間ではないと。恩師の信念のこもった言葉に、シエルは悩み苦しみます。とはいえシエルのかつて持っていた『孤独であるがゆえの』強さは、双子であるピカリオを苦しめる原因にもなった。ここらへん本編で追いきれてないのが悲しい。キラプリってそういう話だったのか。

 

悩みながらもコンテストは迫ってきます。ジャン・ピエールとの思い出のスイーツであるミルフィーユ』を作ってはどうかと提案するいちか。シエルの顔は曇ります。なんでも相当難しいようです。

しかし秘策を思いついたシエルは、難しいと承知でミルフィーユに挑むことにしました。

調子の悪いシエルに代わり、シエルの指示でスイーツを調理するいちか達。がっつり調理工程が紹介されています。かなり工程多いですね。

そして完成したミルフィーユ。

「ありがと。元気出た!」

いちか達のおかげで、気力を取り戻すシエル。

 

ですが、事件です。他の候補者たちが、通常ならありえない失敗を連発してスポンジがありえなくらい膨らむわ部屋ごと凍りつくわの大騒ぎ。共通点は皆、額に黒い紋章が浮かび上がっていること。そしてそれは、シエルの額にも浮かび上がっていたものと同じでした。冒頭で戦っていた敵が、シエルを妖精状態に強制的に戻した紋章です。

そこへ現れた怪物。コンテスト参加者を無差別に襲っています。しかし参加者以外には何もしない怪物。狙いは読めましたけど……いやまさかね……

ペコリンがジャン・ピエールにもらったミラクルライトを怪物に向けると、怪物は慌てて退散していきました。

プリキュア達は、怪物が優秀なパティシエを狙っていると考え、ジャン・ピエールを念のため警護するために彼の家へ向かうことにしました。

 

「どこへ行っていた?」

姿を見せていなかったらしいクックに、そう質問するピエール。あっ(察し)

ミルフィーユを食べてほしいといういちか達に、クックは「どうせまた失敗クック」と冷たく言い放ちます。ピーエルとの思い出のミルフィーユだと言ういちか達に、覚えていないと返すピエール。

「いずれにせよ、これと比べれば霞んでしまうだろう。……お見せしよう。究極のスイーツだ!」

地下室。巨大で不気味なスイーツが作り上げられていました。

もうすぐ完成する。完成すれば世界が変わる。そう豪語するピエール。

ですがシエルもひきません。

「これが完成してからなら、食べてくれる?」

しかしクックはそれを嘲笑います。

「どうせコンテストは中止になるクック。……おっと、口が滑ったクック」

やっぱりお前かい。本性を現すクック。

「だっておかしいクック。ジャンのような天才が認められず、凡人どもが一流扱いされてるクック」

「一体何の話だ?」

ピエールはガチで何も知らなかった。まあそうですよね、そもそもピエールはお菓子作り以外のことにまるで興味がないわけですから。でもこのスイーツ狂が襲撃に何にも関与していなくてほっとしました。悪人ではないと思うので。

スイーツのおばけたちを街に解き放ち、プリキュアを妨害し始めるクック。このままでは街がスイーツに! ピエールもピエールで、そんなことには興味がないとばかりに究極のスイーツ作りに戻ってしまいます。

変身して応戦するプリキュアですが、シエルはやはり人間の姿を保てずキュアキラリンに。かわいい。まるで戦力にはならず、キラリンはピエールとクックを直接止めに向かいます。

一方魔法つかい組も、この怪物騒動を追っていたようで。

 

キュアホイップはうさぎの跳躍力、キュアジェラートはライオンのパワー、キュアカスタードはリスのすばしっこさ、キュアマカロンはよくわからないプリキュア達の戦力を巧みに分析したクックは、呪いの泡立て器の能力を使いプリキュアのモチーフ動物を変化させてしまいます。

ホイップはカメ、カスタードはペンギン、マカロンはパンダ、ショコラはザリガニ……

「なにかいる……(恐怖)」

カスタードが橋の方を見ると、橋にはジェラートが気だるげにぶら下がっていました。ジェラートナマケモノに。動物の力を思うように使えなくなったプリキュアチームは大ピンチに!

というところへ現れたのが魔法つかいプリキュアの3人。窮地を脱しますが、ピエールの家から光の柱が! 究極のスイーツが完成してしまう……。

スイーツの怪物達を魔法つかい勢に任せ、ピエールたちの元へ急ぐホイップ達。

 

魔法つかいプリキュアの魔法攻撃を多用した戦闘、ぬるぬる動くのも相まって迫力がありますね。かっこいい!

ホイップ達はカメとペンギンとナマケモノというお荷物トリオを抱えているせいで普段のスピードが出せません。むしろ変身前よりも遅い。

「タクシーを呼んだ方がいいよ」

はい???

 

ピエールは最後の素材を今まさに究極のスイーツに加えようとしていました。

そこへタクシーでかけつけるキュアホイップ達。マジか。

しかし一歩間に合わず、究極のスイーツは仕上げを残すのみとなりました。

「さあ、最後の仕上げクック」

「まだ何かあるのか?」

「レシピにはない特別な素材を加えるクック!」

ダメなやつそれ。オチが見えましたが、ピエールはとてもわくわくした表情をしています。

「なんと、それはいったい!」

「……あなたクック」

だと思ったよ。

ついに完成した究極のスイーツは、巨大なスイーツの化け物『ジャンピエール』に!! もはやピエールに理性はなく、あるのは盲目的なスイーツへの情景のみ。パリ中がスイーツに変わっていってしまいます。クックの目的は世界中をスイーツに変えること。邪魔なパティシエは全て排除し、自分のスイーツだけの世界を作り上げること。

「意味がわかんないキラ!」

本当に意味不明な目的なんですが、こういう狂気じみた目的の敵ってなんだか魅力的ですね。

きらきらとした瞳で夢を語るクック。ただしその夢は自分以外の全ての存在を踏みにじる夢なのですが、自分のことしか見えていないクックにはそれが理解できない。

 

対して、プリキュアは対抗しようにも力を失った状態。立ち上がったのはシエルでした。

仲間とつちかった強さを証明するために。そして、弱さがあったとしたらそれは仲間のせいではなく自分自身の甘さだと証明するために、シエルはピエールを一人で助け出す覚悟を決めます。

「キュアラモード デコレーション!」

しかし例の紋章の力が消えたわけではありません。ここでミラクルライトの出番。なるほどそうきたか。皆んなの力で、応援の力で、シエルはプリキュアとしての力を取り戻しキュアパルフェに変身!

パルフェがクックの呪いを破ったことにより、クックの持っていた泡立て器も力を失って爆発しました。これで他のプリキュア達も元の姿ーーいえ、さらに天使の翼が生えた姿に! これもミラクルライトの力だそうです。大盤振る舞いですね。

 

ラクルライトの力を得たプリキュアをしても、今のジャンピエールは強敵。その目を覚まさせる方法があるとすれば、それは思い出のミルフィーユを置いて他にはありません。ミラクルライトは察しがいいので、ミルフィーユもピエールサイズに拡大してくれました。便利。一家に1本は欲しい。

しかし大きくなったのが災いして、デコレーションの素材がないと言うピンチ。ここでいちかがキラッと閃きました。パリ中がスイーツになった今、材料ならよりどりみどり! なるほど!

でもそれ元は街だよ、いちかちゃん!! いいの??

 

あくまでもお菓子作りで戦うのがキラプリ。たとえ妨害されてもお菓子作りをやめません。

敵の鳥型のエネルギー攻撃を全て避けながら作業を続けるキュアパルフェ

それはまるで、出会った時のピエールのよう!! 

うわああ~~~!!

完成したお菓子を手に取るジャンピエール。パルフェはジャンに言います。私は仲間がくれる強さを信じたいと。だけど、あの日のジャンピエールもまた、別の種類の強さを持っていたのだと言うこと。

なぜなら、あのときのスイーツは、本当に人を感動させる力があったから。

スイーツを食べたジャンは、ミルフィーユを「いい出来だ」と褒め称え正気を取り戻しました。

もはや究極のスイーツに取り込まれているピエールではないのです。

 

面白くないクック。「ジャンピエールなんかを選んだのが間違いだった!」

クックはあくまで自分の非を認めません。自分を評価しなかった社会を逆恨みしお化けにまでなったクック。どこまでも自分中心でしか考えられないクックは、ついに自らを究極のスイーツと同化させてしまいました。

ミルフィーユは姿を変えパワーアップアイテムに変化。プリキュアたちは必殺技で、怪物と化したクックを浄化します。

 

人に認められないことで自意識をこじらせ、自己満足の中でしか生きることができなかったクック。

ジャン・ピエールに自分のレシピを「究極のスイーツ」と評価されたときのうれしさを思い出しながら、満足げに成仏していきます。いや悲しすぎねえかそれは

 

 

事件もひと段落。コンテストの結果は、シエルはおしくも大賞を逃し銀賞。十分すげえけど。

ジャン・ピエールは大破した家の代わりのプレハブで、相変わらずスイーツ作り。しかし作っているのは、シエルが食べさせてくれたミルフィーユです。その味を認めたと言うことは、彼もまた少しだけ変わったと言うことでしょう。それを物欲しげに眺めるクック似の少女。クックとどういう関係なのかは不明ですが、今度こそ幸せになってほしいなと思います。

 

 

とにかく笑えるプリキュア映画 だけでなく……

 

日常パートから戦闘シーンまで、思わず笑ってしまう描写が目白押しの映画でした。かといって笑えるばかりではなく、自分自身の実力と向き合うこと、他の人との繋がりを大事にすること、他人をないがしろにした自己満足はダメであるということ。プリキュアらしいバランス感覚にあふれた作劇だったと思います。

 

それはそれとして、今回キュアパルフェがジャン・ピエールの『自分一人で向き合う強さ』も前向きに肯定してくれたのは良かった。自己満足で終わらせずそれを関わりあう人のことを認めることができるなら、ストイックに自分の道を進むこともまたすばらしい強さになると。

 

対して配置されていたのがクック。彼女は孤独を選んだわけではなく、その実力不足と他人を認められない性格から孤立してしまったパティシエです。生前全く認められなかった反動から、自分以外の全てのスイーツを憎むようになってしまった悲しい悪役でした。

とはいえ救われる道もあったのだと思います。彼女はそれでも、ジャン・ピエールのことだけは認めていたわけですからね。生前の彼女からすればあり得ないことだったのではないでしょうか。ジャン・ピエールへの入れ込みは、単に自分の計画に必要ということだけでは説明できないことも多分にあります。それだけ、ジャン・ピエールが自分のレシピを『究極のスイーツ』と言ってくれたことが嬉しかったと言うことなのでしょう。

ですがクックは、途中でピエールを切り捨ててしまいました。あの瞬間、名実ともに彼女はプリキュアに浄化される怪物に完全に成り下がってしまいました。

もし彼女がジャンのことを信じ続けられていたら。もしそこまで人間不信になるほどに抑圧された生前でなければ。もしもっと素直に、自分の実力不足を認めて正しく努力できていたならば。

 

クックのあり方は僕などからすれば決して人ごとではなく、どんな人でも陥ってしまう可能性がある心の弱さだと思います。プリキュアの持っている心の強さの、ほんのわずかでも持ちながらいきていきたいところです。

 

何の話だっけ???