プリキュアシリーズにおいて、『異なる価値観の者同士が互いに手を取り合うこと』という要素は非常に重要な要素であると思っています。それは初代プリキュアがタイトルに『ふたりは』と明示したことにも表れています。
最新作『スタートゥインクルプリキュア』でも、地球人と宇宙人という象徴的なコンビ星奈ひかるとララが登場しました。性格の相違、プリキュアとしての衣装の対称性から考えても『ふたりは』の系譜を継ぐコンビと見て良さそうです。
今日はそんな凸凹コンビについてのお話。
※私は全シリーズを制覇しているわけではありませんし、また大小含めるととても1記事で拾いきれる数ではありません。ここでは私が知っている範囲の中で特にこのコンビは尊い象徴的だなと思うコンビを挙げていきます。
また『すでに出来上がった関係の深化』よりは『物語の中で新規に関係性が構築される』ことを重視した人選をしています(よって幼馴染同士といった関係はなるべく外しました)。悪しからず。
性格も価値観もまるで違う初代凹凸コンビ。あまりに違いすぎるため、初期の頃は喧嘩にすらならず微妙な距離感にとどまるという生々しさがありました。二人が初喧嘩から友達になる8話はほんと必見。
【ふたりは8話感想】伝説の8話はやっぱり伝説級だった - プリキュア全話マラソン
さっそく1対1の関係じゃないし。いや、しかしスプラッシュスターという作品を語る上でこの関係性を語らないわけにはいかないでしょう。敵として表れた満と薫がプリキュアと交流し、最終的には妖精の力を得て並び立つ最終回につながる。初代の相互協力が遂に敵キャラにまで到達しました。
プリキュア5は筆者未視聴のため考察を控えます。申し訳ねえ
はじめは敵としてラブの前に表れた敵幹部イース。次第に両者の心は近づくも、組織としての使命があるイースはついにラブとの命がけの一騎打ちに……! というくそ熱展開があったフレッシュプリキュア。ラブ兄貴の男前さも相まって少年漫画のようでした。
ハートキャッチ/花咲つぼみと来海えりか
まさに真逆の凸凹コンビ。引っ込み思案で感受性の強いつぼみと強引でKY気味なえりか。特にえりかというキャラは、他のシリーズのプリキュアと比べても際立って特殊。互いに相手の長所を少しずつ身につけていく描写が良かったです。
例外的に幼馴染コンビ。ですが、スイートという作品は『ぎくしゃくした関係性の再構築』が主題なので1組挙げるとしたらこのコンビになります。熟年夫婦コンビ……
スマイル
ううん……いたかなぁ……。スマイルはあくまで5人で1組、という印象が強いです。
ドキドキ/相田マナとレジーナ
敵と主役のコンビ。が、主人公との価値観の相違という点では前二組と明確に異なります。満と薫、イースは『敵組織のプロパガンダに染められた』ある種被害者とも見れるキャラなのに対し、レジーナは敵組織『ジコチュー』の『自己中であること』を体現したわがまま娘です。相互理解のハードルは高く、だからこそマナが乗り越えていく姿はドラマチックでした。
ハピネスチャージ/愛乃めぐみと相楽誠司
幼馴染コンビをあえて挙げてしまいましたが、これだけは外せない。互いに信頼しあってるけど、実は誠司はめぐみに想いを寄せていて、でもめぐみには別に好きな人がいて、めぐみのことを守りたいのに誠司よりもプリキュアであるめぐみの方が強くて……みたいなスーパー非対称な関係性なんですよ。良い。ただしブルー、お前は許さん。
プリンセス
ちょっと二人組が思いつきませんでした。相互理解、という意味では最終話のはるかとクローズなのかなとも思いますが、あくまで敵同士の奇妙な信頼関係って感じだったし、カップリングで言えばはるかとみなみさん、はるかとトワ、はるかとカナタ……みたいにいろいろとあるんですが、基本的に『独立した個人として、互いの夢を応援し合う』間柄なんですよね。
魔法つかい/朝日奈みらいと十六夜リコ
これは迷いなく。異なる世界(人間界とマホウ界)に生まれ、異なる価値観、性格真逆のふたりが手を繋ぎあってプリキュアに変身する。このコンビで擬似的な子育てすらしているのでそういう意味でも(?)隙がないです。
キラキラプリキュアアラモードについても、半分までしか視聴していないので考察を控えます。
HUGっと/愛崎えみるとルールー・アムール
人間の小学生えみると敵組織によって作られたアンドロイドのルールー。二人が出会い、互いに歩み寄った結果として、二人で一組のプリキュアになるという奇跡を起こす。非常に魅力的なコンビでした。劇中で二人組のアイドルとしても活動するんですが、この歌がまたずるい。
15年の歴史があればいろいろな二人組がいます。今回収まりきれなかったメンツに関しても、今後感想を書くときに触れたいな。
もし良かったら皆さんの推しコンビも教えてください。